ヒートショックを予防する住宅とは?健康に良い住まいのポイントを解説
冬に発生しやすい「ヒートショック」は、高齢者の死亡事故の一因となっており、最近では交通事故による死亡者数を上回っています。
家の中に潜むヒートショックのリスクから家族の健康と快適な生活を守るためには、そのメカニズムを理解し、適切な対策を講じることが大切です。
この記事では、ヒートショックを防ぐための具体的な対策と、住まいづくりのポイントについて解説します。
目次
ヒートショックってなに?
ヒートショックとは、“急激な温度変化によって身体がダメージを受けること”を指します。例えば、暖房で暖められた部屋に長時間いた後、冷え切った浴室に移動し、その後すぐに熱いお風呂に入ることがこれに当たります。
このような急激な温度変化により、血管が収縮・拡張し、血圧が急上昇または急降下することがあります。このように短時間で血圧が大きく変動することが、ヒートショックの原因です。特に、家の中で気温差が大きくなりがちな冬季(11〜4月)に発生しやすくなります。
軽度の場合、めまいや頭痛、立ちくらみなどの症状が現れますが、重度になると失神や心臓発作、最悪の場合には脳卒中や心筋梗塞につながることもあります。もし安静にしていても症状が治まらない場合は、速やかに救急車を呼ぶことが大切です。
ヒートショックが起こりやすい場所は?
ヒートショックは、温度の急激な変化によって引き起こされる現象で、家庭内で起こりやすい事故の一つです。特に発生しやすい場所として、脱衣所や洗面所、浴室、トイレ、廊下、玄関などが挙げられます。
伝統的な日本家屋では、浴室とトイレが北側に設置されることが多く、暖房設備がない場合が少なくありません。さらに、浴室の床がタイル貼りだと、触れた際に冷たく感じやすく、服を脱ぐことで体温が下がり、ヒートショックを起こしやすくなります。このようなヒートショックは、家の中の寒暖差が大きいことが原因です。
冬の寒さが厳しい北海道や青森県ではヒートショックの発生率が低い一方で、比較的温暖な香川県や兵庫県では発生率が高いというデータがあります。これは、寒冷地では断熱性能の高い家が一般的であり、浴室やトイレに暖房設備が整っているなど、寒さに対する対策が充実しているためと考えられます。
ヒートショックを防ぐためのポイントは?
1. 浴室環境・入浴方法の見直し
浴室環境や入浴方法を見直すことで、ヒートショックのリスクを軽減できます。具体的な対策として、以下の方法があります。
入浴前の対策
– 食後、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける。
– 家族に声をかけ、意識してもらう。
– 脱衣所や浴室を事前に暖めておく。
– 水分補給をしてから入浴する。
入浴時の対策
– 湯温は41度以下に設定する。
– 掛け湯をしてから入る。
– 湯に浸かる時間は10分を目安にする。
– 浴槽から急に立ち上がらないようにする。
住まいづくりのポイントとしては、複層窓の設置や浴室暖房の導入、断熱材での断熱効果向上などが効果的です。
2. トイレ・廊下・玄関の寒暖差を抑える
トイレや廊下、玄関の寒暖差を小さくすることもヒートショック対策に重要です。これには暖房機の設置が効果的です。また、高齢者が夜間や早朝にトイレを利用することが多いため、寝室の近くにトイレを設置するのも一つの方法です。温水洗浄便座機能付きのトイレを導入することも効果的です。
その他、脱衣所やトイレを廊下を介さずリビングから直接出入りできる間取りにすることで、部屋間の温度差を抑え、ヒートショック対策に繋がります。特に脱衣所は扉を開けてリビングと一体化することで、快適な温度を保ちやすくなります。
3. 家の断熱性能と気密性能を高める
ヒートショックを防ぐためには、断熱性能や気密性能に優れた住宅を建てることも重要です。外壁や天井、床、窓をしっかり断熱することで熱が外に逃げにくくなります。また、気密性能を高めて家の隙間をなくすことで、同様に熱の出入りを減らし、冬でも暖かい住まいを実現します。家全体が暖められると部屋の温度差も抑えられます。
このように、急激な温度差を感じる住環境を改善することは、ヒートショックのリスクを軽減する重要な方法です。
断熱性能や気密性能に優れた住宅ってなに?
まず、高気密高断熱住宅の一般的な定義についてご説明いたします。
「高気密」とは、外部と家の間にほとんどすき間がなく、気密性が非常に高いことを指します。
一方、「高断熱」とは、外気の影響をほとんど受けないような建材を家の壁などに使用し、家の内部の温度を外気に左右されないように保つことを意味します。これにより、家内部の熱が逃げるのを防ぎます。
住宅内外の空気の出入りが最小限に抑えられるため、室温が安定し、外部の気候の影響を受けにくくなります。暖かい空気と冷たい空気は対流する傾向があるため、すき間が存在すると熱が逃げてしまい、暖房などの効果も冷気によって打ち消されてしまいます。
高断熱の効果を得るためには、高気密性が重要な条件となってくるのです。
高気密高断熱住宅の基準は何か?
高気密高断熱の住宅は「冬でも暖かくて快適な住まい」「年間を通じて心地よい住宅」「省エネ住宅」と称されることがあります。
しかしながら、実際には、日本において「これが高気密高断熱住宅の基準である」と明確に規定されたものは存在しません。
住宅メーカーや関連業者が提示する基準は、その企業が独自に定めたものに過ぎないため、数値を見る際には慎重さが求められます。
高気密高断熱の住宅かどうかを判定するためには、以下に紹介する数値の評価方法を把握しておくことが大切です。
気密性を表す「C値」
気密性は隙間相当面積(C値)という数値で表現します。
C値とは、家中の隙間を集めた隙間面積(cm2)を延べ床面積(m2)で割ったもので、単位はcm2/m2で表します。
C値の値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高い事を表しています。
通常の住宅で、「高気密住宅」と称していない場合のC値は、およそ10㎠/㎡前後となります。
この数値がどれほどの隙間を意味するのか、具体的に考えてみましょう。
例えば、実質延べ床面積が100㎡の住宅の場合、C値が10㎠/㎡ということは、1000㎠の隙間が存在することになります。
言い換えれば、約50×20cmの大きな穴が開いている状態なのです。
気密性を重視した家づくりを行っているメーカーだと、C値は1.0㎠/㎡以下であることが1つの基準と言われています。
現在は廃止された2013年までの次世代省エネ基準では、寒冷地ではC値2.0㎠/㎡以下、その他の地域でC値5.0㎠/㎡以下とされていました。
断熱性能を計る「UA値」
UA値は「外皮平均熱貫流率」のことで、家の中と外に1度の温度差があるときに、家全体で外皮1㎡あたりどれくらい熱が逃げるかを示したものです。
国土交通省による2013年次世代省エネ基準は、目安として参考になります。
この基準では、全国を8つの地域に分けて断熱性を定めております。北海道などの1地域・2地域ではUA値が0.46と設定され、北関東・南関東以南などの人口の多い5地域・6地域ではUA値が0.87とされております。
高気密高断熱の住宅はヒートショック予防になる!
家が温かく保たれることによって、ヒートショックのリスクを軽減できる可能性が考えられます。
人間は気温の急激な変化がある場所を移動すると、血圧が急激に変動し、これは心臓に負担をかける原因となり、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすと考えられています。
特に冬場は、暖かい浴室と寒い脱衣所の間を行き来することで、ヒートショックが多発するケースが非常に多いです。
高齢者を対象とした調査では、家を寒いと感じることが少ない人ほど健康寿命が長い傾向があることもわかっています。
注文住宅を建てる前に!新潟市ってどういうところ?
新潟市は、古くから「みなとまち」として栄えてきました。明治22年に市制が施行されて以来、近隣の市町村との合併により人口は約81万人となり、平成19年4月1日には本州日本海側で初めて政令指定都市に指定されました。
整備された高速道路網や上越新幹線により首都圏と直結しており、国際空港や国際港湾も有しており、本州日本海側の拠点都市として高い都市機能を備えています。
一方で、広大な越後平野は、農畜産物の一大産地であり、米や野菜、果物、畜産物、花き類などが生産されており、また日本海側に面し、信濃川・阿賀野川の両大河や福島潟、鳥屋野潟、ラムサール条約登録湿地である佐潟など、多くの水辺空間や里山などの自然環境にも恵まれています。
そんな新潟市で、注文住宅を建てるときに気になる住環境を気候、利便性、治安の良さ、3つの視点からお伝えします。
気候
日本海と聞くと、冬の荒々しい波と曇り空というイメージが強いかもしれませんが、新潟市は関東以北の政令市の中では比較的温暖であり、冬の寒さも北海道ほど厳しくはありません。
平均気温が零下になる月はなく、東京とほとんど変わりません。
さらに、日本海を北上する暖流の影響もあり、仙台市や周辺の内陸都市と比較しても、年間平均気温が高いといえます。
利便性
新潟市の中心に位置する新潟駅には、上越新幹線やJR越後線、JR白新線、JR信越本線、JR磐越西線といった列車が乗り入れています。上越新幹線を利用すれば、最速で約1時間40分で東京へアクセスできます。また、駅前からは池袋や新宿へ向かう高速バスも運行されており、所要時間は約5~6時間ほどです。夜行便も利用できるため、早朝に東京へ行きたい場合には便利です。
また、新潟空港からは成田空港への航空路もあり、所要時間は約1時間5分ほどです。新潟空港からは名古屋や大阪、神戸、福岡、沖縄(那覇)、札幌、ソウル、上海、台北などへも直行便が運航されています。
治安
新潟県警の犯罪統計によると、2021年の新潟県内での刑法犯発生件数は7,746件で、そのうち新潟市での発生件数は3,238件で、約42%を占めています。2021年末時点での新潟市の推定人口は約78万人であり、新潟県全体の推定人口は約217万人です。そのため、新潟市の犯罪率は県内のほかの地域に比べてやや高めと言えます。ただし全国的な観点で見ると、2021年の人口1万人あたりの犯罪認知件数の全国平均は約45.2件ですが、新潟市は約41.5件と全国平均を下回っています。したがって、特に新潟市の治安が悪いとは言えません。また、新潟市内の犯罪発生状況を見ると、中央区が最も件数が多く、1,071件となっています。他の政令指定都市と比較すると、2019年のデータによれば、新潟市の1万人あたりの犯罪件数は62.9件で、政令指定都市20市の中では8番目に少ない数字となっています。